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遺言が複数見つかったらどうなる

遺言が複数見つかったらどうなる
 

遺言が複数見つかることも・・・

 遺言書は、自分の財産の承継先を決める大切なものです。通常であれば、1通を作成してそれを大切に保管し、自分にもしものことがあったときに遺言の執行を相続人にしてもらうことになります。
しかし、中には遺言を複数書いてしまう方もいるのが現実。
もし、被相続人が作成した遺言が複数見つかってしまったらどうなってしまうのでしょうか。

そもそも遺言書は何通でも書く事ができる

 遺言は民法という法律に規定してあります。その法律には遺言の書き方や遺言執行者、遺留分などの規定があるだけで、遺言は1通しか書いてはいけないといったような規定はどこにもありません。複数作成してはいけないルールがない以上は何通でも作ることも可能です。
なので、自分の気が変われば何度だって遺言を書く事でできますし、毎年書き直す人もいるくらいです。

よって、遺言は必ず1通しか存在しないわけではないので、複数遺言が見つかることも十分ありえます。

最新の日付の遺言が優先される

 複数の遺言が見つかった場合、相続人はどの遺言が正しいのかわからなくなってしまいます。そういった場合にはそれぞれの遺言の日付を確認してください。

遺言は日付が最新のものが有効であると法律で定められています。つまり、別日に書かれた遺言の日付を見ればどちらが有効な遺言か一目瞭然です。法律上では、古い遺言を新しい遺言で取り消したものと考えます。

なお、遺言は日付の記載がないものは無効となります。もし一方の遺言には日付が書かれているのに、一方には書かれていないのなら、日付の記載がない遺言は無効なので日付が書かれている遺言をもとに執行すればいいことになります。

公正証書遺言と自筆証書遺言が見つかったら

 遺言には大きく分けて「公正証書遺言」と「自筆証書遺言」というものが存在します。公正証書遺言は公証人の認証を受けた公的な書類ですから、自筆証書遺言よりも遥かに厳格な手続きのもと作成されます。
では、公正証書遺言を作った後に自筆証書遺言を作った場合、どちらが優先されるのでしょうか?
一見すると公証役場で作成した公正証書遺言の方が効力が優先されそうにも思いますが、公正証書と自筆証書が見つかった場合であったとしても日付が優先されることに違いはありません。公正証書遺言を取り消す場合には公正証書遺言でなければならないといったルールがないからです。

この場合も原則通り、日付の先後で有効な遺言を判断することになります。

不明確な遺言が何通も出てきてしまったら

 公正証書で作られた遺言であれば、法律の要件がしっかりと守られて、整った遺言内容となっているかと思いますが、自筆証書遺言はそういうわけにはいきません。

自筆証書遺言は作成時の手続きが容易な反面、遺言者が自分の気持ちを好き勝手に書いてしまっていることがあります。

過去の事例で、遺言を毎年作りなおして15通も手元に残っていることがありました。日付があるものとないもの、訂正が適切になされていないもの、遺言の承継先の表現が曖昧なもの、同じ日付で書かれた遺言、相続人ごとに分けて作成をしたと思えば次の遺言で全て撤回していたり・・・内容も不備、矛盾だらけで国家資格者の我々から見ても読み解くのにかなりの時間を要しました。

こうなってしまったら一つ一つの遺言内容をよく読み解いていくしかありません。要件が揃っているか微妙なものもありましたので、それについては各申請先機関との事前相談が必要になることがあります。

遺言は複数になればなるほど複雑になってしまいます。
なるべくシンプルに1通だけで全ての承継先を網羅的に記載して公正証書で作成することが一番望ましいです。

もし見つかった複数の遺言の解釈が曖昧で、どれが有効で無効なのかわからないのなら、相続人全員で遺産分割協議をしてしまってもいいでしょう。その方が手続き上はスムーズだからです。
なお、包括受遺者(相続人以外の第三者でも)には遺産分割協議に参加する権利がありますので、遺言の中に包括受遺者がいる場合には注意が必要です。
包括遺贈と特定遺贈の違いとは

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・行政書士法人よしだ法務事務所代表
・NPO法人よこはま相続センターみつば元代表理事
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
 

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