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遺言の内容を知らせずに相続手続きを進めたい

遺言の内容を知らせずに相続手続きを進めたい

他の相続人に遺言の事を言いたくない

[前提事例]
 被相続人は父親で、相続人は長男・亡長女の子供の2人(母は5年前に亡くなっている。長女は既に病気で死亡しているため、長女の子供が代襲相続人となる)。
父親は自分の財産を、献身的に面倒を見てくれた長男夫婦に残したいと考えて、全財産を長男へ相続させる旨の公正証書遺言を残していた。

長男は、遺言の内容は把握していて遺言執行者にも指定されている。

父親の相続財産は、自分が住んでいた川崎市内の自宅(固定資産税評価額で約2000万円)と預貯金で2000万円ほど。

このような状況で長男夫婦が当事務所までご相談に来られた。

遺言のことを代襲相続人の姪っ子(長女の子供)へ知らせたくない本音

 面談室でお話しをじっくりとお聞かせいただきました。
長男としては、全財産を相続するのは自分1人だし(公正証書遺言で自分の名前しか書かれていない)、姪(亡長女の子供)は父親の面倒など一切みていないわけだから、あえて遺言の内容を姪に知らせることなく遺言を執行したい希望がある。

たしかに、公正証書で作成された遺言の場合には、家庭裁判所の検認手続きを経る必要もありませんし、その公正証書遺言が手元にありさえすれば、遺言執行者である長男1人で遺言の内容を実現することができてしまいます。他の相続人である姪っ子に、遺言のことを伝える必要もありません。

遺言のことを姪に知らせてしまうと、自分も相続人だから貰う財産があると言うきっかけを作ってしまうリスクもありますし、姪から実印を押してもらうこともなく、遺言執行者が単独で相続手続きを進めることができるわけですから、わざわざ姪に遺言の内容を知らせたくない気持ちもよく理解できます。

ですが、そこには2つの問題点があると、お伝えさせていただきました。

①遺言執行者の遺言通知義務、②遺留分の問題

 法律上、遺言執行者には遺言の内容を相続人に通知(伝える)する義務があります(民法1007条2項)。遺言の内容を伝えずに遺言執行を進めてしまうと、そのことについて責任追及をされてしまう恐れがありますので、遺言執行者は相続人に対して遺言の内容を伝えなければいけません。今回は遺言執行者である長男自身が相続人ですから、それ以外の相続人である姪に遺言の内容を伝える義務を負うことになります。

 もう一つは、遺留分の問題があります。今回の姪の遺留分は、本来もらえるはずだった法定相続分2分の1の半分である「4分の1」が遺留分となります。
遺留分を請求する権利を持つ人のことを「遺留分権利者」と呼びます。(本件の姪は遺留分権利者です)
遺留分権利者である姪は、自らが侵害された分である4分の1について、長男に対して金銭請求をすることができますので、そのことについて長男は理解をしておく必要があります。
(遺留分についてこちらから説明をさせていただきましたが、公正証書遺言で全財産を相続すると書かれている以上、姪に1円も渡さないですむと思い込んでいたようです)

この2つの問題点について、理解をしたうえで、どのように進めていくのか検討をしていかなければいけません。

当事務所からのご提案と解決方法

 上記の問題点2つについて理解をしていただき、当事務所からは、遺留分権利者である姪に対して、きちんと遺言の内容を伝えるべきだということを説明しました。

たしかに遺留分請求の時効が来るまで待つことを選ぶ方もいますが、先に遺留分に対する金銭を渡す意思があることを説明しておくことで余計な相続争いに発展することを回避することができますし、親族間の不信感を消し去ることもできます。

姪自身も自分が相続人であることは理解しているはずですから、放っておくと姪が弁護士などへ相談に行かれてしまう可能性があります(自分に相続権があるのか、どうすればいいのか、姪自身も不安に思っているはずです)。
そうなれば、相続争いを回避することができなくなりますので、なるべく早く姪に遺言の話をするべきだとお伝えをさせていただき、次の土日には長男夫婦から姪の方へ遺言のことを伝えてもらいました。

長男から積極的に遺言のこと&遺留分の金銭を渡す意思があることを伝えたことで、姪自身も安心できたようで、無事に相続手続きを当事務所で進めて、遺留分相当の1000万円を姪に渡してトラブルや争いを起こすことなく完了することができました。

本件のようなケースは沢山あるかと思いますが、当事務所から言えることは「なるべく早く遺言のことを話して遺留分の金銭を渡す意思があることを伝える」これに限ると思います。
放っておくと、遺留分権利者は不安になってしまいますから、弁護士などへ相談に行ってしまうことも出てくるでしょう。代理人弁護士から通知が来てしまったら、もう修正はできなくなってしまいますので、できるだけ早く、財産を受け取らない遺留分権利者に対してお話しをすることが重要だと考えます。
このような事案に関する記事がこちらにもありますので参考にしてください。
遺言の内容を財産を受け取らない相続人に伝えるべきか

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おおまかな相続手続きの流れを知ろう!
遺言書の探し方・遺言検索システムの方法を紹介。
相続人の調査方法は戸籍集めでやります。
肝心な相続財産の調査で遺産を把握しよう!
調査したら相続放棄か遺産分割かを決めましょう。
遺産分割協議書の作り方や遺産の書き方を学ぶ。
分割協議書を使って預貯金の相続手続きをしよう。
最後の難所「法務局で不動産の名義変更」

【相続(基本編)】
死亡以外でも相続が開始することがある?
相続に困ったときの公的な相談先一覧
養子は実子と同じように相続できる?
認知を受けた非嫡出子と嫡出子の相続分の違い
内縁の配偶者は相続人になる?
行方不明の相続人がいて困っている
相続させたくない相続人の相続権を奪う方法
生命保険金は相続財産になる?
死亡退職金は相続財産になる?
子供名義での銀行預金は相続財産になる?
死亡・相続開始後すぐに行う手続きは
亡くなった人の水道光熱費や病院代の清算
葬儀代(葬式費用)の支払いは誰がする?
遺言書があっても遺産分割協議できるか
親の介護をしたら多く相続財産をもらえる?
相続財産が不動産だけの場合の遺産分割方法
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相続税はいつまでに申告するの?
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相続放棄手続きの流れ
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相続分の譲渡とは
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戸籍をたどることが出来なくなる場合
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相続不動産を売却する場合に必要となること
遺産分割協議の前に相続財産を確定する重要性
相続登記に必要な住民票の除票が取得できない?
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空き家を放置するデメリット
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定期借地権付きの建物(空き家)を相続したら

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認知症の親を施設に入れるため実家を売りたい

【解決事例】
後妻との子供だけに遺言で財産を残す方法
銀行やゆうちょ銀行の口座が凍結されてしまった
未成年者がいる場合の遺産分割協議
父と母が順に死亡した場合の相続登記
3ヶ月経過した相続放棄を受理させる
特定の相続人に相続財産をあげないためにしたこと
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絶縁状態だった父親の財産の相続
住所で不動産を特定した遺言書による相続登記
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遺言の内容を知らせずに相続手続きを進めたい
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「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
・司法書士よしだ法務事務所代表
・行政書士法人よしだ法務事務所代表
・NPO法人よこはま相続センターみつば元代表理事
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
 

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