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相続した定期借地権付の建物を売却処分

相続した定期借地権付の建物を売却処分したい

定期借地は処分が難しい?!

[前提事例]
 被相続人は叔父で、相続人は叔父の亡弟(6年前に亡くなっている)の娘のみ。
叔父は、生涯独身で子供もいなかったため、既に亡くなっている自分の亡弟の娘が代襲相続人となった(被相続人からみて姪が相続人となったケース)。

被相続人の叔父は、東京都内某所に定期借地上に建物をたてて一人で暮らしていた(定期借地の残存期間は28年)。
相続人となった姪は離れて住んでいたこともあってか(千葉県内)、疎遠にしていて、小さい頃に会ったきりで、今まで一度も交流はない。

叔父の相続財産は、自分が住んでいた東京都内の定期借地上の建物と預貯金で1000万円ほど。

このような状況で相続人となった姪とその夫が当事務所までご相談に来られた。

他県在住で管理が難しいので定期借地上の建物は売却処分をしたい

 事務所にご相談に来られた姪夫婦から、今後の希望などをお聞かせいただきました。
姪夫婦としては、叔父からの預貯金1000万円については相続をするつもりですが、定期借地上の建物については利用するつもりもない以上は相続せずに放棄したいそうです。
もし放棄ができないのなら、叔父が住んでいた家を管理することができないため(千葉県在住で来るまで片道2時間以上かかる)、売却処分をしたいと考えているようでした。

たしかに、建物を相続してしまうと、毎月の地代が発生しますし(本件では月3万円でした)、取り壊すとなれば多額の解体費用が発生してしまいます。また、何よりも管理することができなければ空き家となってしまい近隣に迷惑がかかってしまいます。

利用目的がないなら、借地ごと建物を売却処分して、手を放してしまいたい気持ちはよくわかります。
しかし、通常の普通借地権ならまだしも、今回のケースでは「定期」の借地ですから、そこに非常に大きな問題点があります。

定期借地権付建物の買い手を見つけるのは難しい?!

 「定期借地」というのは読んで字のごとく、定期期間中だけ借地として土地を貸しますよ、という契約内容になります。今回のケースでは、定期借地契約が50年で設定され残存期間が28年ありましたので、建物は築22年経っていることになります。
つまり、この築22年の建物を28年間使ってくれる買い手を探さなければいけないことになります。

しかし、実際問題として、建物を新築分譲をするような業者は購入意欲を示さないですし、個人の買い手を探すにせよ、28年だけ住めればいいと考える買い手を見つけなければいけないことになります。
また、大きな問題として定期借地権付の建物には担保価値が薄いので、融資を付けることが難しいことにあります。つまり、融資を受けにくいため、現金一括で建物を購入してくれる人を探さなければいけません。

となれば、28年だけ住めればいいと考えてくれて、かつ、現金一括で購入できる人を探さなければいけませんので、購入層は非常に狭くなってしまいます。

さらに、定期借地権付建物を購入するためには、一般的に地主へお金を払って譲渡承諾を得なければいけませんので、現金一括で不動産を購入できるような人が地主との交渉が絡む面倒な定期借地権付建物を買いたいと考えるのか疑問が残ります。

 上記のとおり、定期借地権付きの建物を買ってくれる人を見つけるのは非常に困難だということを認識しなければいけません。

また、定期借地権は原則として途中解約が認められませんので、今後払い続ける可能性がある地代と建物取り壊し費用のバランスを考えて、場合によっては預貯金を諦めて相続放棄をすることも検討しなければいけません。

当事務所からのご提案と解決方法

 上記の問題点につき、説明をして理解をしていただいたうえで、今後の方針を決めることになりました。

地代が月3万円ということは年間36万円ですから、28年で1008万円。建物取り壊し費用が300万円かかる見積りでしたので、定期借地権付き建物を持ち続けることで合計1300万円以上の出費となります(もちろんこれ以外にも固定資産税はかかります)。これでは1000万円の預貯金よりも高額な経費が発生しますので、相続放棄を検討しなければいけない状況でした。

この状況で、まずは買い手を探してみることにしましたが、相続放棄の猶予は3ヵ月しかありませんので、買い手を探すのが難しい定期借地権付建物を買ってくれる人を探す時間など到底ありません。

そこで、当事務所と付き合いのある取引先を頼って、実需ではなく収益不動産として購入してくれる個人の買主をご紹介させていただきました。
実際に自分で住むような実需購入層を探す時間など全くありませんから、賃貸として収益を得る個人投資家を見つけて買っていただく他ありません。
定期借地ということもありますから、とても低廉な価格での売却にはなりましたが、当該相続人は地代や取壊費用といった金銭面の問題や、建物を所有し続けるという管理の問題から解放されますので、非常に良い選択ができたと思います。

当然、姪夫婦は預金1000万円についても相続することができたので、最後は安心したからか何度も感謝の言葉をいただくことができました。

このような事案に関する記事がこちらにもありますので参考にしてください。
定期借地権付きの建物(空き家)を相続したら

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遺産分割協議書の作り方や遺産の書き方を学ぶ。
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最後の難所「法務局で不動産の名義変更」

【相続(基本編)】
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養子は実子と同じように相続できる?
認知を受けた非嫡出子と嫡出子の相続分の違い
内縁の配偶者は相続人になる?
行方不明の相続人がいて困っている
相続させたくない相続人の相続権を奪う方法
生命保険金は相続財産になる?
死亡退職金は相続財産になる?
子供名義での銀行預金は相続財産になる?
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・行政書士法人よしだ法務事務所代表
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