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農地を相続したら
 

農地と相続

 農地の名義変更をする場合には農地法に基づき許可が必要となりますが、農地の所有者が亡くなり、その農地を相続によって取得する場合には許可は不要となります。

なぜ名義変更の場合には許可が必要とされているかというと、例えば農地を売買する場合には、当然所有者が代わります。新しい所有者が勝手に農業をやめてしまい農地以外として利用されてしまうというケースが増えた場合、国の食料自給率が下がってしまい、食料の安定した供給に支障をきたしてしまうからです。

 相続の場合は、所有者の死亡というものは本人が意図的に発生させたものではないため、相続による名義変更の場合には許可は不要とされています。相続の場合、許可は不要とされていますが、農業委員会への届出は必要となります。相続発生後、10ヶ月以内に届出をする必要があります。なぜ10ヶ月以内という期間が設けられているかというと、農地の相続を長期間放置されてしまうと、誰の農地かわからなくなってしまうということになります。
このような農地を「耕作放棄地」といいます。最近では、この耕作放棄地が増えてきており、社会問題になりつつあるようです。

農地法の許可とは

 農地の取り扱いは、「農地法」という法律のもとにおこなわれています。日本は国土が極小で人口も多く土地の利用には様々な競合が生じています。そのような状況において、農業生産は、国にとって食料の安定供給を図る上で非常に重要なものであります。その農地を勝手に農地以外のものにするなどといった事から農地を守るために規定されているのが農地法ということになります。

農地法第1条

“この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものにすることを規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調整し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする”

農地法では、農地だけではなく採草放牧地も対象になっています。
(農地以外の土地で、耕作または養畜事業のための採草、家畜の放牧に供されるもの)
農地法のなかでも、農地の売買、賃借、転用などについて規定しているのが、農地法第3条、4条、5条になります。

農地法第3条
(農地につき、農地として耕作目的のために、売買、贈与、賃借をする場合など、権利の設定や移転をおこなう場合)

◇農地の権利設定や移転をおこなうためには、農業委員会の許可が必要になります。

◇「市町村内に住所がある者が市町村内の農地を取得する場合」には、申請者は農業委員会に申請書を提出し、その後、農業委員会から許可通知が出されます。

◇「市町村外に住所がある者が市町村内の農地を取得する場合」には、申請者は農業委員会に申請書を提出し、その後、都道府県知事の許可を得て、農業委員会経由で許可通知が出されます。

◇原則、農家でない者が農地を取得することはできません。また、取得者がその農地の全てを耕作すると認められること、必要な農作業に常時従事すると認められること、経営面積が原則50a以上であること、通作距離との関係からみて農地を効率的に利用し耕作すると認められることが要件となってきます。この許可を受けないで農地の売買などをおこなった場合には、その効力は生じません。

農地法第4条
(所有者が自らのために農地を農地以外のものへ転用する場合)

農地の所有者自らが転用を行う場合(自己転用)です。例えば、農地に住宅などの建物を建築、資材置き場や駐車場へ変更する場合などがそれにあたります。

◇「4ヘクタール以下の市街化調整区域」の農地を転用する場合には、都道府県知事の許可が必要となります。

◇「4ヘクタールを超える市街化調整区域」の農地を転用する場合には、国との協議を付した上で都道府県知事の許可が必要となります。

◇市街化区域内にある農地を転用する場合には、許可ではなく届出となります。

農地法第5条
(所有者以外の者がその所有者から売買、賃借によって転用する場合)

4条と同じ農地の転用についてですが、自己転用の場合ではなく、農地の所有者から売買や賃借により権利を得た者が転用をする場合です。

◇「4ヘクタール以下の市街化調整区域」の農地を転用する場合には、都道府県知事の許可が必要となります。

◇「4ヘクタールを超える市街化調整区域」の農地を転用する場合には、国との協議を付した上で都道府県知事の許可が必要となります。

◇市街化区域内にある農地を転用する場合には、許可ではなく届出となります。

農地法の許可不要の例外

国、都道府県、指定市町村が農地の転用をする場合、許可は不要とされています。

学校や社会福祉施設、病院、庁舎などのために転用する場合には、許可権者と協議をおこなう必要があり、その協議が整った場合には許可を受けたものとみなされます。(指定市町村とは、農地転用許可制度を適正に運用し優良農地を確保する目標を立てるなどの要件を満たしているものとして、農林水産大臣が指定する市町村のことです。)

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・司法書士よしだ法務事務所代表
・行政書士法人よしだ法務事務所代表
・NPO法人よこはま相続センターみつば元代表理事
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
 

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