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遺産分割証明書とは
(遺産分割協議証明書)

とても便利な遺産分割証明書の正体

 遺産分割証明書という言葉をご存知でしょうか?
遺産分割協議書なら聞いたことがあるけど・・・

ここのページへ来られた方は、相続手続きを進めようとしているのかもしれませんし、もしかしたら他の相続人や司法書士から「遺産分割証明書」といタイトルで書類が届き、疑問に思って調べられているのかもしれません。
ここでは、実務上でとても便利な遺産分割証明書の正体について解説をしていきます。

※遺産分割協議証明書とも呼ぶことがあるようですがここでは遺産分割証明書として統一して説明します。

遺産分割証明書とは

 先に結論を申し上げてしまうと、遺産分割証明書は基本的に遺産分割協議書と何ら変わりはありません。効力に違いもありませんし、金融機関や法務局・税務署だって問題なく受理してもらえます。しかし、決定的に違う部分が一つだけあります。それは

「遺産分割証明書は相続人ごとに作成して全てを合体させてはじめて効力が生じる」

ということです。
通常、遺産分割協議書は、その書面に相続人全員が連名で署名捺印(実印)をして行います。
しかし、遺産分割証明書の場合には、連名で署名捺印をする必要がありません。
例えば、相続人が3名いるのなら、同様の内容の遺産分割証明書3通を作成し、相続人全員がそれぞれ署名捺印した遺産分割証明書3通を合わせることで、遺産分割協議が成立したことになるのです。
つまり、遺産分割協議書と違って、遺産分割証明書なら各相続人が別のタイミングで署名捺印をすることができますので、わざわざ集まって協議をする必要がありませんし、持ち回り等の面倒なことをする必要もありません。

遺産分割証明書の見本

遺産分割証明書の見本は以下です。
基本的な書類構成は遺産分割協議書と変わりはありませんが、あえて言えば、タイトルと赤字の部分が通常の遺産分割協議書とは異なる部分でしょうか。

[事例:被相続人鈴木一郎、相続人鈴木由佳、鈴木美香]


遺 産 分 割 証 明 書

被 相 続 人 鈴木 一郎
最 後 の 住 所 横浜市旭区北町一丁目2番3-101号
最 後 の 本 籍 北海道小樽市栄町一丁目38番
死 亡 日 平成27年11月30日 

被相続人鈴木一郎死亡により相続が開始し、共同相続人全員により遺産分割協議を行った結果、後記のとおり遺産分割が成立したことを証明します。 

一.被相続人名義の下記の預貯金債権及び有価証券等については、すべて換金のうえ、相続人鈴木由佳が金100万円を相続し、残った預貯金債権については、相続人鈴木美香が相続する。

[金融機関等の表示]
(1)ゆうちょ銀行に有する預貯金債権(普通預金・定期預金等)のすべて
(2)りそな銀行○○支店に有する預貯金債権(普通預金・定期預金等)のすべて
(3)みずほ銀行△△支店に有する預貯金債権(普通預金・定期預金等)のすべて

二.その他の財産及び債務について 

本協議書に記載のない遺産及び後日遺産が発見された場合は、当該遺産について、相続人間で改めて協議し、分割を行うものとする。 

 

平成30年11月20日 

【相続人 鈴木 由佳 の署名捺印】 

(住 所)  

(氏 名)


上記を見ていただけるとわかりますが、署名捺印をする欄が一人分しかありません。これは、相続人鈴木由佳の分の遺産分割証明書だからです。
つまり、他の相続人鈴木美香の遺産分割証明書の分と2通合わせることで、遺産分割の協議が成立したことになります。

このように、遺産分割証明書の場合には、相続人全員が連名で署名捺印をしなくてもいいメリットがありますので、各相続人(上記事例では鈴木由佳と鈴木美香)が揃って書いたり、書類をまわしたりする必要がありません。

今回は相続人がたった2名しかいないケースでしたが、相続人が多ければ多いほど、遺産分割証明書のメリットを感じられるはずです。
もし相続人が10名とか20名いたら、遺産分割協議書に全員の署名捺印をもらうのがどれだけ大変なのか想像は容易いはずです。
遺産分割証明書なら、各相続人に一斉郵送して返送を待てばそれだけでいいわけです。
司法書士や行政書士のような専門家が、遺産分割協議書ではなく遺産分割証明書の形式をよく多用しているのは、非常に使い勝手がいいからです。

~コラム「遺産分割証明書の日付は同じでなければいけないの?」~

以前、知り合いの司法書士の先生から「遺産分割証明書って各相続人の日付を合わせないと法務局が通りませんよね?」と質問を受けたことがあります。
この点の疑問を持たれている先生は他にもいるようで、他のサイトで「遺産分割証明書の日付は全て同じ日に統一させなければいけない」と書かれたものも見かけたことがあるくらいです。
しかし、今まで何百回と遺産分割証明書を作成してきておりますが、未だかつて、遺産分割証明書の日付を揃えなかったことで法務局や税務署から指摘を受けたことはありません。
明確な記述や文献を見つけることはできませんでしたが、当事務所の経験則から言えば、遺産分割証明書の日付を統一させる必要まではないと考えます。

遺産分割証明書のデメリット

 遺産分割証明書はとても便利でメリットばかりあるように感じてしまいますが、便利は反面でデメリットもあります。
普通の遺産分割協議では、相続人全員が集まって「協議(話し合い)」をしたうえで、署名捺印を行うわけですが、遺産分割証明書の場合にはその機会が持たれないことが大半です。これは便利であるが故のデメリットと言えます。
遺産分割の内容に応じているのなら問題はないかもしれませんが、話し合いがまだ中途半端でまとまっていないような状態の場合には、先にしっかりと協議をまとめることが必要になります。
遺産分割証明書の形式を使うのなら、事前に相続人間の意見をまとめて、調整した後に各相続人へ発送するようにするべきでしょう。そうでないと、納得しない相続人があらわれて、遺産分割が成立しないままになってしまいます。

遺産分割証明書が送られてきたら

 「遺産分割証明書」のタイトルで書類が届いて不安に感じるかもしれませんが、基本的に皆さんが知っている遺産分割協議書と変わりはありませんので、心配せずに手続きを進められてください。

 前述したように、遺産分割証明書が相続人全員分が揃わないと遺産分割協議の効力が生じません。つまり、一人でも欠けると相続手続きは一切進まないことになります。

々の仕事や家事が忙しくて、つい返送が遅れてしまうかもしれませんが、自分が対応しなかったことで他の相続人にも迷惑がかかってしまいます。
遺産分割の内容に承知しているのなら、なるべく早く対応するようにしましょう。

遺産分割協議や相続手続きでお困りなら当事務所までご相談ください!

相続を専門とする当事務所では「遺産分割証明書」を実務でかなり多く使っています。もしかしたら遺産分割協議書よりも遺産分割証明書の方が多いかもしれません。

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・行政書士法人よしだ法務事務所代表
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【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
 

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