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遺言者死亡後の遺言執行の流れ

遺言者死亡後の遺言執行の流れ

遺言執行の流れ

遺言執行の流れ

 相続開始後、遺言が存在した場合は相続は遺言に従って行われます。*1

 遺言がない場合は法定相続分通りに相続するか、相続人全員で話し合う遺産分割協議で相続の内容をきめていきます。

 このように遺言の有無によって相続手続きの流れや手順がかわってきます。以下遺言がある場合は、どのような手続きが生じていくのか解説していきます。

 

*1 遺言があったとしても相続人全員の合意により遺言と違う遺産分割も可能です(但し、民法908条後段) 「遺言書があっても遺産分割協議できるか」について詳しく

遺言がある場合の手続きの流れ

 まず、遺言の存在が確認された場合、公正証書遺言以外は家庭裁判所において、検認の作業が必要となります。公正証書遺言の場合は検認の手続きを必要とせず、すぐに相続手続きを開始することができます。

 遺言に遺言執行者の記載のない場合は基本的には相続人が遺言の内容に沿って相続手続きをしていきます。遺言に遺言執行者の記載がある場合は相続人に代わり遺言執行者が相続の手続き及び遺言の実現に向けた行為をしていきます。ただし、遺言執行者の記載のない場合でも、認知及び相続人の廃除が遺言の内容となっている場合は遺言執行者の就任が必要となります。

遺言書の検認手続きについて詳しく

遺言書の有無での手続きや必要書類の違い

 遺言がない場合、預金口座の相続手続きや証券口座の相続手続きは相続人全員(又は代表相続人)で行います。
 遺言がある場合で遺贈の場合や分割方法の指定により単独で相続する場合は、受贈者(遺言執行者)又は相続人が単独で行えます(受贈者が複数なら受贈者全員)。

 必要書類は遺言がない場合は遺産分割協議書、銀行所定の申請書、全員の印鑑証明書、相続人の戸籍謄本、被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)が必要となります。
 遺言がある場合は遺言書(検認済)、受贈者(遺言執行者)又は相続人の印鑑証明書、被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)になります。なお、遺言による
相続分の指定や遺言で相続人に相続させると記載されている場合のように遺言があっても遺贈とは言えない場合は、相続手続きを妨害する者がない限りは預金等の相続手続きに遺言執行者は関与しません。*2

<遺言がない場合の必要書類>

相続人全員の戸籍謄本・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)・相続人全員の印鑑証明書・銀行所定の申請書・遺産分割協議書(遺産分割協議を行った場合)

代表相続人単独で手続きする場合は他の相続人の委任状

<遺言がある場合の必要書類> 

(1)遺贈の場合 遺言により単独で相続する場合 

遺言書(検認済)・単独で相続する相続人、受贈者の印鑑証明書(又は遺言執行者の印鑑証明書)・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)
(2)相続分の指定
遺言書(検認済)・相続人全員の印鑑証明書・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)・代表相続人単独で手続きする場合は他の相続人の委任状

 なお、銀行によって更に書類を要求される場合があります。

 

不動産の場合、遺言がない又は遺言の内容が遺贈ではない場合は、相続人1人からの単独申請で登記が可能です。遺贈の場合は受贈者と相続人の共同申請となり、遺言執行者がいる場合は受贈者と遺言執行者の共同申請となります。

<遺言がない場合の必要書類> 

相続人全員の住民票の写し・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)・相続人全員の戸籍謄本・遺産分割協議書(遺産分割協議を行った場合)

<遺言書がある場合の必要書類>

(1) 遺贈
遺言書(検認済)・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)・相続人全員の毛籍謄本・受贈者の住民票の写し・相続人全員の印鑑証明書(遺言執行者の印鑑証明書)・登記識別情報

(2) 遺贈以外
遺言書(検認済)・被相続人の戸籍謄本(除籍謄本)・遺言により相続する相続人の戸籍謄本・遺言により相続する相続人の住民票の写し

*2 認知、相続人の廃除等は遺言執行者しかできません。
遺贈は遺言執行者がいる場合、相続人は関与できません

遺言執行者の権限及び業務内容

 遺言に遺言執行者の記載がある場合は遺言執行者は、相続財産の管理や遺言の執行に必要な一切の行為をする権利及び義務があります(民法1012条1項)。遺言執行者は相続財産の保存行為(修繕等)、利用行為(賃貸や運用等)、改良行為ができます。

具体的な行為として

1 相続財産の引き渡し及び管理、相続財産の関係書類の引き渡し及び管理。

2 遺言執行の妨害をしている者がいる場合はその者の排除。

3 遺言執行に必要な訴訟行為。

4 遺言執行で財産の処分(売買等)が必要なら、その処分や換価。

 遺言執行者が選任されている場合は、相続人は勝手に処分(売買等)や、遺言の執行を妨害するようなことはできません。遺言執行者が選任されているにも関わらず相続人が上記のような行為をした場合、その行為は無効となります。

 遺言執行者は相続開始と共に相続人が誰であるかの調査と相続財産の調査を開始し、調査完了後に相続財産の財産目録を作成して相続人に交付しなくてはなりません(民法1011条1項)。なお、遺言執行者は相続人や受遺者(遺贈を受ける者)も就任することができ、逆に遺言執行者になれない者は未成年者又は破産者に限られます(民法1009条)。また、遺言執行者の選任は遺言執行者の了解を得ていなくても遺言に記載が出来ます。その場合遺言執行者に選任された者は遺言執行者を辞退することも可能です。

 なお、先述したように、遺言が「相続人に相続させる」のような記載の場合や相続分の指定の場合では遺言執行者は相続を妨害されてるような状況がない限りはなんら相続手続きに関与しません。この場合相続手続きは通常通り、相続人が行います。

「遺言執行者」について詳しく

遺言作成時に注意したい遺言執行

 遺言を作成した時、同時に遺言執行者を選任しておくと相続開始後の遺言執行がスムーズに進みます。またこの場合、遺言執行者には相続の専門家に就任してもらうのが良いでしょう。相続手続きに慣れている遺言執行者の方がトラブルもなく進みますし相続人の1人を遺言執行者に選任すると、他の相続人に不信感が生じてしまう恐れもあります。家族が揉めない為に遺言書を書くのなら、遺言執行においても注意しなくてはなりません。

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・行政書士法人よしだ法務事務所代表
・司法書士よしだ法務事務所代表
・NPO法人よこはま相続センターみつば元代表理事
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
 

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