『孤独死相続』に関するよくある質問(FAQ)

Ｑ．警察から孤独死の連絡を受けたらどうすればいい？

Ａ．まずは警察からの指示に従って、遺体の確認や身元の特定などの対応を行います。その後、遺体の引き取りや火葬手続き、住居の対応、家財の整理、近隣への配慮などが必要になります。葬儀や相続手続きに進む前に、現地の状況確認と専門家への相談を早めに行うことが重要です。
（関連記事：警察から孤独死の連絡を受けたら）

Ｑ．孤独死の葬儀代は立て替えたら返してもらえる？

Ａ．相続人が複数いる場合、立て替えた葬儀代は遺産から公平に精算するのが実務的に多いです。ただし、事前に他の相続人の同意を得ずに支出した場合、全額が返金されるとは限りません。領収書などの記録を残しておき、後日の遺産分割協議で費用負担を整理することが必要です。
（関連記事：孤独死の葬儀代を立て替え）

Ｑ．孤独死した人の相続人は誰？

Ａ．配偶者や子ども、親、兄弟姉妹など、民法の法定相続順位に従って相続人が決まります。相続手続きの前提として、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を取り寄せ、相続人を確定させる必要があります。関係が疎遠だった場合や家族構成が複雑な場合は司法書士等の専門家へ戸籍収集を依頼した方が賢明です。
（関連記事：孤独死した人の相続人は誰？）

Ｑ．遠くに暮らす親族が孤独死したらどうすればいい？

Ａ．まずは現地の警察や自治体と連絡を取り、遺体の確認や引き取り手続きを進めます。すぐに現地へ行けない場合もあるかと思いますが、事務処理等を進めなければいけませんので、なるべく早く現地へ駆けつけるようにしてください。
（関連記事：遠方の親族が孤独死した相続手続き）

Ｑ．孤独死の相続を専門家に相談できる？

Ａ．相続手続きのサポートを行ってくれる専門家は多いですが、「孤独死」の相続に専門特化した事務所は非常に少ないです。一般的な事務所へ問い合わせをしてしまうと、普通の相続手続きとして処理されてしまうので、「孤独死相続」に慣れた専門家を探して相談するのがベストです。
（関連記事：孤独死相続の専門家が少ない理由）

Ｑ．孤独死が発生した相続手続きの注意点は？

Ａ．一般的な相続に加え、家の中の整理、負債や滞納の確認、近隣住民への対応、事故物件としての不動産の扱いなど、対応範囲が広くなります。書類の散逸や財産の所在不明などの問題も多いため、慎重な情報収集と手続きの管理が重要です。放棄の期限や死臭への対応など、初動が特に大切です。
（関連記事：孤独死の相続手続き）

Ｑ．孤独死相続を専門家に相談する前にやっておくことは？

Ａ．被相続人の住まいや財産に関する手がかり（通帳・不動産の権利証・郵便物など）を確保し、現場の状況を写真で記録しておくとよいでしょう。また、誰が相続人になりそうかをある程度整理しておくことで、専門家の判断もスムーズになります。当事務所では、情報不明の段階であっても相談対応可能です。ご自分で考える時間がもったいないので早めにご相談ください。
（関連記事：孤独死相続を専門家に相談する前に）

Ｑ．孤独死した人の財産を調べる方法は？

Ａ．まずは自宅内の通帳や証券、保険証券、郵便物などを確認しましょう。銀行に照会をかける場合は、相続人であることの証明書類が必要です。また、不動産については法務局で登記簿謄本を取得すれば所有者の確認が可能です。財産が不明でも相談対応可能ですので、当事務所までご連絡ください。
（関連記事：孤独死の相続手続きサポート）

Ｑ．亡くなった人が借金していたかわからない場合は？

Ａ．金融機関や貸金業者からの郵便物、不審な督促状、取立ての電話などがあれば要注意です。また、信用情報機関（CIC・JICCなど）に照会することで借入情報を確認できます。相続放棄の判断には時間制限もあるため、疑わしい場合は早めに当事務所までご相談ください。
（関連記事：孤独死した人の借金の調べ方）

Ｑ．孤独死した人が遺言書を残していたか調べる方法は？

Ａ．公正証書遺言であれば、公証人役場で「遺言検索システム」を使って調査可能です。自筆証書遺言が法務局に預けられている場合も「自筆証書遺言書保管制度」の照会で確認できます。遺言書を自宅内で見つけた場合は勝手に開封せず、家庭裁判所に検認申立てを行いましょう。
（関連記事：孤独死した人の遺言調査）

Ｑ．孤独死した人の財産を相続放棄できる？

Ａ．はい、家庭裁判所に申述することで相続放棄は可能です。借金や不要な不動産を引き継ぎたくない場合に有効な手段です。ただし、相続開始（通常は死亡日）を知ってから３ヶ月以内に手続きを行う必要があります。一度放棄すると撤回できないため、財産の調査と慎重な判断が必要です。
 

Ｑ．３ヶ月以内に相続放棄が間に合わない場合は？

Ａ．家庭裁判所に「熟慮期間の伸長申立て」をすることで、期限を延ばせる場合があります。やむを得ない事情があると認められることが条件です。また、相続人が被相続人の死亡を知った日から３ヶ月と数えるため、死亡通知の時期によってはまだ間に合うケースもあります。
（関連記事：孤独死と相続放棄期間伸長）

Ｑ．DNA鑑定期間中に相続放棄できる？

Ａ．DNA鑑定で親子関係を確認中でも、家庭裁判所は形式的な判断を行うため、申述自体は可能です。ただし、被相続人との法的な親子関係が確認できなければ受理されません。DNA鑑定中は、死亡の戸籍を取得できないため、専門家と相談しながら対応方法を検討します。
（関連記事：孤独死のDNA鑑定期間と相続放棄）

Ｑ．遺品整理をしたら相続放棄できないって本当？

Ａ．すべての場合に当てはまるわけではありません。遺品整理の内容が「単なる保管」や「家の清掃目的」であれば問題にならないことが多いですが、財産的価値のある物を処分・換金した場合は「単純承認」とみなされ、放棄が認められない可能性があります。遺品整理をする前に専門家へ相談しておくと安心です。
（関連記事：孤独死した家の遺品整理と相続放棄の可否）

Ｑ．関わりたくない場合は、調査等せずにいきなり相続放棄していい？

Ａ．基本的には可能です。借金があるなど、明らかに債務超過と判断できる場合には、財産調査や債務調査を行うことなくいきなり家庭裁判所へ申述することができます。
ただし、何も調べずに放棄すると、思わぬ財産（不動産や預金など）がある場合に損をすることもあるため、最低限の調査や専門家への相談を行ってから判断することをおすすめします。（関連記事：孤独死した人の財産を相続するか相続放棄するかの判断基準）

Ｑ．孤独死があった家は売れるの？

Ａ．はい、売却は可能です。ただし「心理的瑕疵（かし）」がある物件として告知義務が生じるため、通常の物件よりも価格が下がる傾向があります。売却前に特殊清掃や遺品整理を行い、買主が納得できる状態に整えることが重要です。ただし、特殊清掃などすると余計な費用が発生してしまうこともあります。もし孤独死があった家の売却まで考えている場合は、一度当事務所までご相談ください。
（関連記事：孤独死した家を相続して売却・処分をする）

Ｑ．孤独死は事故物件として扱われる？

Ａ．原則として、室内で亡くなり、一定期間発見されなかった孤独死は心理的瑕疵ありの「事故物件」とされます。告知義務の対象となり、売却・賃貸時にその事実を説明しなければなりません。事故物件となったら、売り方をどうするのか専門家と相談しながら進めていってください。
（関連記事：事故物件となる判断基準、事故物件を売却する方法）

Ｑ．特殊清掃してから売った方がいい？

Ａ．特殊清掃をした方がいい場合と、しない方がいい場合があります。一般的に特殊清掃までやると１００万円以上の費用がかかります。費用超過になるなら特殊清掃はすべきではないですし、そもそも解体してから売却した方がいいのであれば特殊清掃までやる必要はありません。この点については、売却前に当事務所までご相談ください。
（関連記事：特殊清掃と孤独死）

Ｑ．遺品整理業者へ頼むメリットって？

Ａ．時間や労力を大幅に軽減できるのが最大のメリットです。孤独死後の現場の清掃は精神的にも負担が大きく、適切な対応が難しいことがあります。プロの業者であれば分別・搬出・清掃を効率的に進めてくれ、リサイクルや処分も法律に沿って行ってくれます。特殊清掃にも対応可能な業者なら一括依頼も可能です。
（関連記事：遺品整理業者へ頼むメリットは？）

Ｑ．遺品整理をするタイミングを知りたい

Ａ．相続放棄を検討している場合は、遺品に手を付ける前に慎重な判断が必要です。放棄後に財産的価値のある物を処分すると、放棄が無効になる可能性があります。放棄するか決めていない段階では、「触らずに記録だけ取る」「開けずに保管する」など、専門家と相談のうえ対応することが望ましいです。
（関連記事：孤独死相続と遺品整理のタイミング）

Ｑ．遺品整理費用の用意ができない場合は？

Ａ．一般的に遺品整理費用は高額になることが多いので、費用捻出が難しいケースもでてくるはずです。当事務所では、提携の遺品整理業者がおりますので、その業者であれば遺産が入ってくるまで（不動産の売却代金が入ってくるまで）、費用の支払いを待ってくれ可能性がありますので、お困りのことがあればご相談ください。
（関連記事：孤独死した家の遺品整理費用が出せない）

Ｑ．近隣からクレームが来た場合の対応は？

Ａ．まずは誠意をもって状況の説明を行いましょう。孤独死後の臭気や害虫、騒音などで迷惑をかけている場合は、早急に特殊清掃や遺品整理を依頼する必要があります。対応が遅れるとトラブルが長期化する恐れがあるため、早期に専門業者や司法書士に相談し、対応内容の記録も残しておくと安心です。
 

Ｑ．マンションの管理会社から損害賠償を請求されることはある？

Ａ．孤独死によって建物や設備に損害が生じた場合、相続人に原状回復費用などの請求がなされる可能性があります。ただし、相続放棄をすれば法的責任を免れることができます。請求書が届いた場合は支払う前に相続状況を確認し、専門家に相談した上で対応することが重要です。
 

Ｑ．遺体の引き取りは拒否できる？拒否したら遺体はどうなる？

Ａ．身元が確認された遺体の引き取りは、法的には義務ではありませんが、親族に通知が来た場合、拒否すれば自治体が火葬・埋葬することになります。その際の費用を請求される可能性もあります。葬儀を行う意思がない場合でも、放置せず、自治体や専門家と連携して対応するのが現実的です。
 

Ｑ．葬儀はせずに火葬だけ（直葬）でもいい？

Ａ．はい、可能です。近年は金銭的・人間関係的な事情から直葬を選ぶケースが増えています。火葬許可申請や死亡届の提出は必要となりますが、葬儀社に「直葬プラン」を依頼すれば比較的簡便に対応できます。後日、必要に応じて納骨や供養を検討するとよいでしょう。
 

Ｑ．孤独死があった家に一度も行かずに全て処理できる？

Ａ．これはケースバイケースです。一般的には、相続人が孤独死があった家の中から財産的な資料を収集し、相続手続きを進めていくことになります。ですが、死臭が漂う中で家の中に入りたくないと考える気持ちもわかります。これについては、どうしていいかわからなければ、まずは当事務所までご相談いただければと思います。
 

Ｑ．権利証が見つからなくても家は売れる？

Ａ．権利証が見つからなくても家を売ることは可能です。ただし、権利証がない場合にはそれ相応の対応方法が必要となりますので、この点については一度当事務所までご相談いただければと思います。