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相続した土地を隣に買ってもらう方法

更新日:2022/5/27

相続した土地を隣に買ってもらう方法と注意点

記事監修者:司法書士・行政書士 吉田隼哉

相続した土地を隣人に売りたい

 相続した土地を相続人が使用しない場合は、その土地を売却することも選択肢になります。

一般的に不動産を売却する場合は、不動産仲介業者と媒介契約を結び、買主を探してもらって売買する流れです。
ただ、亡くなられた被相続人が隣人と付き合いがあると、隣人がその相続した土地を買ってくれる場合があります。

隣人に相続した土地を買ってもらう方法や注意しなければいけないことを詳しく解説していきますので、本記事を参考にしてみてください。

相続した土地売却について

 実務的な話になりますが、「土地」のみを相続して売却するケースは稀で、ほとんどの場合は、建物(古屋)とセットで土地を相続しますので、古い建物の解体も合わせて検討しなければいけません。

実家(戸建て)を相続するのが典型例でしょうか。高齢な両親が住んでいた家を相続することが多いと思いますので、建物自体の築年数も相当経過している場合が多いです。

相続専門の当事務所の経験則からいえば、昭和50年代に建てられた家が多いので、築40年以上を経過していることがほとんどです。
木造家屋としての価値は0に等しいですので、リフォームして売るよりも、大半の方が「土地」として売ることになるはずです。

隣人が相続した土地を買ってくれることがある

 冒頭でも説明した通り、相続した土地を隣人が買ってくれることがあります。

昔から「地続きの土地は買え。」と言われています。土地を広げることができますので、1筆の土地として所有しているよりも、利用方法が増えて、自分の土地の資産価値を高めることができるからです。
もちろん、土地が大きくなれば、庭や駐車場にしたり、新しく家を建てて親族に住まわせることもできますので、地続きの土地を買うことは隣人にとって良い話だと思います。

隣人に相続した土地を売るメリット

 もちろん隣人に土地を売るメリットは、相続人側にもあります。
土地の購入者を探す時間と手間を省略することができることです。買主を探すために広告を出す必要もありませんし、現地の確認もすぐに済みます。

「相続した土地を売却する。」これは、想像以上に大変なことです。
土地を売却する話だけに注力できませんので、遺産分割や相続手続きと並行していかなければいけません。当然、税金のことにも注意をしながら進めていくため、考えることで頭がいっぱいになってしまいます。
すぐに買い手が決まることで精神的な負担がやわらぎますので、相続人にとっても大きなメリットがある話だと思います。

隣人に相続した土地を売却する注意点3つ

 相続した土地を隣人に売却するために、絶対に注意しなければいけないことを3つお伝えします。とても重要なことなので、この3つは必ずおさえてください。

①交渉は仲介業者に任せる

 最も重要なポイントです。どんなに隣人と仲が良かったとしても、自分達だけで隣人と交渉してはいけません。隣人の方は何を考えているかわからないからです。

「隣のよしみで安く売ってもらえるだろう」と勝手に思い込んでいる場合があります。お隣が買うわけですから多少売値が下がる覚悟はできていたとしても、それを超えるような極端な言い値で言ってくることがあります。

相続の話を聞きつけて、いきなり隣の人から売ってほしいと言ってくることがありますが、「仲介業者に依頼をしているので」と説明して、直接の交渉は避けるようにしてください。不動産屋を介在させることで、隣人は極端な言い値で交渉してくることはなくなります。

②交渉が不調に終わることも念頭におく

 不動産取引は、売主の「売ります」、買主の「買います」の意思が合致してはじめて成立するものです。たとえ、隣人に購入の意思があったとしても、売買はお互いが条件に納得できなければ、不成立に終わります。

感情的になって交渉がうまくいかないと、隣人との関係性に亀裂が入ってしまうことがあります。後述しますが、隣人と揉めてしまうと、隣人以外に売却する場合にも影響が出てしまいますので、交渉が不調に終わっても隣人との関係性維持には細心の注意を払いましょう。交渉は仲介業者に任せて、なるべくオフィシャルに進めていくことが大切です。

③適正な条件を提案する

 お隣同士であっても、根拠ある適正な条件を提案するようにしてください。
隣人の方が自分達の土地を欲しがっているのを知って不当に高値を押し付けてしまうと、交渉がもつれてしまいます。
最初の金額を提示するタイミングが最も大切な局面ですから、自分で決めた金額を自ら伝えるのではなく、仲介業者に査定をしてもらって、その仲介業者から金額を提示してもらうようにすれば、向こうもその金額で検討してくれるはずです。

隣人との関係性悪化には注意を

 隣人がそのまま相続した土地を購入してくれたらいいのですが、売買の交渉がもつれてしまって関係性がギクシャクすると、その土地に悪い影響を与えます。

土地を売買する場合は、その土地の境界を確定する必要があり、その確定には土地と隣接する土地所有者の立会い確認が必要になります。隣人との関係性が悪い場合、この確認をしてもらうのに大変苦労します。
時間や費用が余計に掛かり、最悪のケースでは境界確定ができないこともあり、その場合は、境界不明示のまま売却しなければいけなくなるため、売買価格が下がってしまいます。

隣人との関係性悪化は、隣人以外に売却する場合にも影響を与えますので、なるべく揉め事を起こさないように、仲介業者を介在させて丁寧に対応することが大切です。

古屋付きのまま売るか、更地にして売るか

 隣に買ってもらう場合、①古屋付きのまま売却するか、②建物を解体して更地で売却するか、の2択を選ばなければいけません。

古屋付きのまま売却するなら、建物解体費用を考慮して更地価格よりも金額を落とした売買価格になると思います。解体工事の手間や時間を気にしなくていいので、スムーズに引渡しをしたい場合にはお勧めの方法です。

ただし、相続した空き家の特例を適用させて土地を売却する場合、基本的に建物を解体して更地にして売却することが要件となりますので、建物解体が必須になります。(関連記事:相続した空き家の3000万円控除

要件が非常に厳しい特例ですが、譲渡所得から3000万円も控除できますので、最大600万円も減らすことができる大きな制度です。この特例が使える場合は、手間と時間をかけてでも建物を解体してから更地で引渡しをすべきです。

古屋付きか更地にするかは、個々の状況によって決まってきますので、専門家に相談をしながら進めていくようにしてください。

隣人の「売ってほしい」は信用するな

 隣人から「土地を売る時は声をかけてね。」と前々から言われていることがあるかと思いますが、そういった場合でも本当に隣人が購入する意思があるのかわかりませんので、あまりあてにしない方がいいです。

当事務所の経験則上、お隣の「売ってほしい。」という言葉は、ほとんどが軽い気持ちで言っているだけで、本気で買いたいと思っていないことが圧倒的に多いです。また、本人が買う意思があっても、周りの親族に止められることがありますので、お隣に買ってもらうつもりでいると痛い目にあってしまいます。

実際に隣が買うケースは少ない

 相続専門の当事務所では、「お隣から土地を売ってほしいと言われた。」とお客様から相談を受けることがあります。本当にこの話をよく聞きますが、実際にお隣が土地を買ってくれたケースは1割にも満たないです。

基本的に、お隣さんは「安く買えるなら」という期待を込めて言ってる場合がほとんどです。相続人側が「別に安くてもお隣に売ってあげたい。」という気持ちがあるのなら、止めません。しかし、適正な金額で相続した土地を売却したいと考えているなら、あくまでも隣人は『購入希望者のうちの1人』と考えて接することが重要です。

隣人の購入意思の見極め

 きちんと仲介業者を通して話をしてもらえば、相手の購入意思の本気度をはかることができます。

本当に買いたいのなら、積極的に向こうから話をしてくるはずですので、購入意思を確認するファーストコンタクトは、仲介業者に任せておくのが一番です。買う気がなければ、隣人以外に売ればいいだけです。

隣人に相続した土地を売った方がいいケース

 隣人に土地を売った方がいいケースも存在します。以下のような場合には、隣人との売買交渉を積極的に進めてください。

①公道に面していない再建築不可の土地
②隣人が適正価格よりも高額で買ってくれる土地
③田舎で他に買い手を見つけることができない土地

公道に面していない土地は、建築基準法上で再建築することができませんので、宅地としての価値がなく、買い手を見つけることが困難です。公道に面している隣人が購入してくれたら、適正価格で売却することが望めますので、隣人に売却すべき土地だと考えられます。
反対に、公道に面していない隣人から、是非土地を売ってほしいと言ってくることがありますので、その場合には、隣人と売買交渉を進めてもいいかもしれません。向こうからすれば是が非でも土地を買いたいと思っているはずですから、価格交渉が優位に立てるからです。

その他、田舎や地方で買い手を見つけることが困難な土地だと、高値を目指している場合ではありませんので、隣人でも誰でもいいので買ってもらった方がいいと思います。

まとめ

 お隣とどんなに仲良くしていたとしても、高額なお金が動く不動産売買の場面では、他人と他人の契約交渉ですから、なるべく公式に進めていくべきです。第三者を介在させずに内々で話をしてしまうのは、非常に危険だと思います。

当事務所では、隣人の「売ってほしい。」という言葉を信用していませんので、必ず提携不動産業者を手配して、売買交渉を行ってもらっています。
前述したように、隣接所有者と揉めてしまうと、後々の土地売却に影響を及ぼしてしまいますので、なるべく丁寧に対応してくれる業者を選定すべきです。もし隣人が土地を買ってほしいと言ってきた場合には、早めにご相談いただければと思います。

相続した土地売却のことなら当事務所までご相談ください!

 もし、相続した土地を売却したいとお考えでしたら、弊所まで一度ご相談いただけますでしょうか。

当事務所は、他の事務所と違って、相続手続きだけを担当するのではなく、「相続→不動産売却→換価分割→相続した空き家の特例適用」まで一括して対応することが可能です。最初の初期段階から、提携税理士・不動産業者・解体業者を入れるため、要件の厳しい相続した空き家の特例適用まで確実に進めていくことができます。

隣人との交渉も提携不動産業者に依頼しますので、相続した土地にお困りでしたら、是非当事務所の活用をご検討ください。

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認知症の相続人がいるなら遺言書を書く
家族に知られず遺言書を作成する方法
遺言書は誰のもの?
余命宣告と遺言書

【解決事例】
後妻との子供だけに遺言で財産を残す方法
銀行やゆうちょ銀行の口座が凍結されてしまった
未成年者がいる場合の遺産分割協議
父と母が順に死亡した場合の相続登記
3ヶ月経過した相続放棄を受理させる
特定の相続人に相続財産をあげないためにしたこと
権利証がない場合の相続登記について
絶縁状態だった父親の財産の相続
住所で不動産を特定した遺言書による相続登記
空き家の処分を換価分割を使って解決
認知症の方がいる場合の遺産分割方法
相続登記を放置していた代償
残された家族が揉めてしまう遺言
遺産、相続財産の調査の方法(預貯金のケース)
あるはずの遺言が見つからない
不動産の売買契約後に所有者が死亡した
昔書いた遺言書を公正証書遺言で書き直したい
凍結された死者名義の定期預金の口座を解約したい
遺品の中から直筆の遺言書がでてきたら
遺言執行者・遺言保管者に専門家を指定して解決
節税対策の相続放棄
会ったこともない相続人との遺産分割協議
相続税申告期限が間近の遺産分割協議
公正証書遺言による不動産の名義変更
認知症の母親に相続させずに遺産分割したい
面倒な相続手続きはやりたくない

遺言の内容を知らせずに相続手続きを進めたい
相続した定期借地権付の建物を売却処分
相続した売れない土地を相続放棄せずに解決
相続で共有になった土地の持分売買
甥と遺産分割して相続手続きを解決
母親に遺言書を書いてほしい
遺留分を支払って相続手続きを解決
再建築不可の相続した戸建てを換価分割したい
放置された遠方の空き家を処分したい
業者から購入希望の連絡を受けて相続登記
相続税の納付資金を売却代金で用意
相続手続きを至急で完了
相続した駅前の賃貸マンション一棟を遺産分割
出張で病室に出向き遺言書作成をサポート
疎遠な叔父の相続手続き
相続した土地を分筆して兄弟で分けた事例
遺留分権利者がいる場合の相続手続き
相続で代々引き継いできた土地を処分
相続と贈与を使って自宅名義の権利調整
多額のローンが残ったアパートを相続
遺言の内容と異なる遺産分割をして解決
高齢な相続人が複数いるケース
全く知らない相続人が判明した事例
相続した空き家の控除を使って換価分割
遺産分割前に相続人の一人が死亡した事例
貸金庫に多額の現金が見つかった事例
遺言を公正証書で作り直し
田舎の土地を相続放棄したい
公正証書遺言を親に書いてほしい子の相談
相続したマンションの名義変更
相続手続きの途中で遺言を発見
付言事項つきの遺言に思いを残す
子供のいない夫が死亡した相続手続き
法定相続情報を使った相続手続き
相続した実家の名義変更を解決
借地上のアパートを相続してしまった

登記識別情報が見つからない相続手続き
遺言執行者から委任を受けて解決
団体信用生命保険を使う相続案件
成年後見人と遺産分割をして解決
相続財産が不明な場合の遺産相続

遺言を子供たちに内緒で作った事例
父親が亡くなったことによる遺産分割
子供のいない夫婦がお互いに遺言を書く
両親が亡くなった後の遺産分割を解決
多額の生命保険金で相続税がかかる事例
疎遠な父親の財産を相続放棄
相続したタワーマンションの名義変更
公正証書での遺言を作成した事例
部屋で亡くなったマンションの売却を解決
田舎の土地と自宅をセットで売却処分

遺産相続と会社の清算を同時に解決
父親に遺言書を書いてもらいたい
未成年者の特別代理人を選任した事例

子供の1人が相続放棄をしてから遺産分割
相続登記の移転漏れを解決
故人の遺言書が複数見つかった事例
甥と姪が相続人となった相続を解決
被後見人が死亡した相続手続きを解決
仕事が忙しい相続人の代理で手続き

相続税の基礎控除を超える遺産の相続手続
空き家を解体して更地で売却した事例
相続した共有持分の相続登記をした事例

証券保管振替機構に開示請求した事例
職場近くの事務所に相続手続きを依頼
途中までやって断念した相続を解決
無効な内容の自筆証書遺言が見つかった
急死した母親の相続手続き
相続した自宅の名義変更と相続税申告
相続した未登記建物の名義変更
相続したゴミ屋敷を遺品整理後に売却
借金まみれで亡くなった父親の相続放棄
役所の相談会で解決できなかった相続
胎児が相続人となった相続を解決
相続した土地を遺産分割で解決
孤独死した叔父の相続財産を遺産分割
自殺した兄の遺産を相続放棄した事例
遺留分合意書を交わして解決した事例
孤独死があった家を売却処分した事例
貸金庫の解約を含む相続手続きを解決
昔の遺産分割協議書で相続登記した事例
相続登記の義務化の前に名義変更したい
コロナ禍における遺言作成
お客様作成の遺産分割協議書で相続登記

コロナで帰国困難な相続人からの依頼
数次相続が複数発生している相続
自殺があった家を売却・現金化して解決
相続した実家を兄弟の共有名義にする
独身で子供のいない兄弟の相続
遺言検索システムを利用し遺言を発見
離婚した父親が亡くなった連絡を受けた
法定相続分の登記後に遺産分割した事例
遺言執行者選任申立て後の相続手続き
付言事項で紛争を回避した事例
株式が主たる相続財産の遺産分割を解決
滞納税金を相続放棄して解決した事例
法定相続情報一覧図で金融機関の相続
相続放棄の期間伸長を行い財産調査
エンディングノートで遺言の存在を知る
被相続人代表の有限会社が残っていた
昔の遺言を撤回して公正証書遺言を作成
子なし夫婦がお互いに遺言書作成
ネット銀行の相続手続きを解決
叔母に遺言書を書いてもらった事例
検認済みの自筆証書遺言を使った相続手続き
親の終活として公正証書遺言を作成
未申告の相続税と相続手続き
自宅内で亡くなっていた叔父の相続

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・雑誌「プレジデント」2020.12.18号
・テレビ「NHKクローズアップ現代」2019.12.19放送
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・雑誌「AERA」2017.1.23号 他

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 司法書士・行政書士 吉田隼哉

神奈川県司法書士会所属
神奈川県行政書士会所属

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
・司法書士よしだ法務事務所代表
・行政書士法人よしだ法務事務所代表
・NPO法人よこはま相続センターみつば元代表理事
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
 

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